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コラム/醜状障害について

2017/12/25

shimoyama

Auther :下山 和也

醜状障害について

交通事故によって負った外傷が、怪我の場所によっては傷跡が残り、醜状(しゅうじょう)と呼ばれる後遺障害になることがあります。この醜状は、事故から直接生じた醜状はもちろん、等級認定においては、手術や処置のために生じた醜状についても交通事故の後遺障害として認定の対象となります。

 

醜状障害については、その部位や程度、露出の有無により等級認定が異なります。なお、醜状障害については、以前は外貌醜状については男性か女性かにより認定される等級が異なっていました。しかし、2010年に京都地裁で性別の違いによって後遺障害等級が異なることは男女平等を定めた憲法に違反するという判決があり、この判決を受けて認定基準が改正され、醜状障害における性別による等級認定差はなくなりました。

 

醜状障害の等級認定においては、頭部、顔面部、頸部のような、上肢及び下肢以外の日常露出する部分を「外貌」とし、これらの部分の醜状の程度により分けて等級認定を行います。

 

「外貌に著しい醜状を残すもの」は7級12号に認定されますが、これは、頭部では手のひら大以上の瘢痕または頭蓋骨の手のひら大以上の欠損をいい、顔面部では鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没、頚部にあっては手のひら大以上の瘢痕をいい、人目につく程度以上のものをいいます。

「外貌に相当程度の醜状を残すもの」は9級16号に認定されますが、原則として、顔面部の長さ5㎝以上の線状痕で、人目につく程度以上のものをいいます。

「外貌に醜状を残すもの」は12級14号に認定されますが、頭部では鶏卵大面以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損、顔面部では10円銅貨大以上の瘢痕または長さ3㎝以上の線状痕、頸部では鶏卵大面以上の瘢痕をいい、人目につく程度以上のものをいいます。

外貌の醜状は、他人が見て傷を負っていること分かることが必要ですので、瘢痕等があったとしても、眉毛や頭髪により隠れる部分については、原則として醜状として取扱われませんので注意が必要です。

 

上下肢の露出面に関して露出面とは、上肢は上腕(肩関節以下)から指先まで、下肢は大腿(股関節以下)から足の背部までとされています。これらの部分に手のひら大の醜状痕が残った場合は、上肢醜状痕は14級4号、下肢醜状痕は14級5号に認定されます。

 

現在の醜状障害における後遺障害の認定基準は以下の通りになります。

 

醜状障害の認定基準

等級 認定基準
7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号 外貌に醜状を残すもの
14級4号 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

 

 

当事務所では、醜状障害を負われた方に対し、適正な後遺障害の等級認定を得られるように認定のサポートを行っております。醜状障害でお悩みの方は、お気軽に弁護士法人アステル法律事務所へご相談下さい。→こちら

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