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コラム/人身傷害補償特約(保険)加入のススメ

2021/01/27

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Auther :アステル

熊本県公安委員会の統計によれば、熊本県内で発生した交通事故発生件数は令和2年11月末までで前年比約23%の減少だったようです。コロナウィルス感染症拡大のための外出が減ったこと等が理由に挙げられそうですが、それでもまだまだ交通事故によってお亡くなりになったり、お怪我をされたりする方がいなくなるわけではありません。

今回は、交通事故が発生したとき、相手方から回収ができない場合に大活躍する「人身傷害補償特約(保険)」について、実際にはどういう形で使えるのかご紹介します。

 

(目次)

1 相手方に請求できないときがある

2 メリット① 手続きの手間が大幅に省ける

3 メリット② 過失割合に左右されない

4 メリット③ 相手が不明、相手がいない場合でも使える

5 メリット④ 車の事故だけに限られない場合も

6 人身傷害補償特約を使った後でも差額を相手に請求できる

 

1 相手方に請求できない・しにくいときに活躍する

交通事故は、いつも相手方加害者がいるわけではありません。車をガードレールなどにぶつけてしまう自損事故を起こしてしまった場合は、請求すべき相手方はいません。

また、ひき逃げに会った場合は、相手方の特定ができないため、「政府補償制度」の利用をせねばならなくなります。

さらに、相手方がいる場合でも、自分の過失割合のほうが大きい場合は相手方任意保険会社が治療費の支払などの対応をしてくれませんし、そもそも相手方が任意保険に加入していない場合もあります。このような場合は、通常、相手方本人が対応しなければ自賠責保険会社に被害者が直接請求をすることになりますが、一旦治療費などを自分で支払い、領収証などを添えて請求することになります。しかも、自賠責保険会社からの支払いは、一定の限度でしか行われません。

このような時、人身傷害補償特約を自動車保険につけていれば、自分が加入している保険会社が損害の補償を行ってくれます。

 

2 メリット① 手続きの手間が大幅に省ける

上記に述べたように、自賠責保険に被害者請求をする必要がある場合は、一旦自分で医療機関などの費用を支払い、治療が終了(症状固定)した時点で、すべての領収証や休業損害の資料などを付けて、自賠責保険会社に請求することになります。

したがって、「一旦医療費を自己負担する必要がある」ことと、「請求資料などを準備して保険会社に送付する」という手続きが必要になります。

また、相手方加害者がひき逃げなどで不明な場合も同様な手続きが必要になります。

このような時、人身傷害補償特約を付けていると、自分が加入している保険会社が、あたかも相手方加害者の任意保険会社のように、医療機関への費用を支払ってくれたり、休業損害や慰謝料の支払いをしてくれます。

つまり、この特約を利用することで、一旦手出しする必要もなく、またその後の自賠責保険への請求手続きをする必要もありません。

 

3 メリット② 過失割合に左右されない

交通事故による損害賠償金額の算定は、相手方とこちらの過失割合に応じた減額がなされます。これは、実際に生じた損害のうち、自分自身の責任で生じた部分は、相手方に賠償させることはできないという「過失相殺」という民法上の考え方です。

したがって、通常、相手方加害者の保険会社から支払いを受けることができる金額は、この過失相殺が行われた後の金額ということになります。

しかし、人身傷害補償特約は、契約者の損害補償を保険契約として約束するものです。したがって、契約者の過失割合による過失相殺をすることなく、保険契約上計算された損害額が支払われます。

つまり、契約者の過失が10割であっても、保険契約上保険会社が算定した損害額は満額支払われる、ということです。

 

4 メリット③ 相手が不明、相手がいない場合でも使える

人身傷害補償特約は、契約者の損害補償をお約束する保険なので、これまでにも記載しているように、仮に自損事故であっても、ひき逃げで相手方が不明であっても利用できます。

 

5 メリット④ 車の事故だけに限られない場合も

保険の補償内容次第になりますが、加入している自動車保険の対象車両の事故だけでなく、歩行中や、自転車などの事故の場合、他人の車に乗っている時の事故の場合でも適用される場合があります。

詳しくは、皆さんがご加入されている自動車保険の担当者さんに確認してください。

 

6 人身傷害補償特約と相手への請求は両立する!?

見落としがちなことですが、人身傷害補償特約の利用と、相手方への損害賠償請求は両立します。

例えば、相手方から賠償される賠償金は、全体の損害金から契約者の過失割合を差し引いた金額となりますが、人身傷害補償特約により算定される契約者の過失割合分を補償してもらうことも可能です(実際の解決内容などの資料を保険会社に送り、算定してもらうことになります)。

また、先に人身傷害補償特約を利用した場合も、自分の保険会社が保険契約上算定した金額と、弁護士が算定した損害賠償金額とに差額があった場合には、不足する金額を相手方に請求することが可能です。

人身傷害補償特約で補償された金額は、先に契約者の過失割合分に充当するというルールが最高裁判所の裁判例として判断されました。これにより、裁判所基準で算定された損害額のうち、契約者の過失割合部分に先に充当することになるのです。

 

まとめ

相手方に任意保険がついていない案件も、年に数回ご相談をお受けします。任意保険に加入していない方の場合、経済力も十分ではない方が多いので、仮に相手方に直接請求するとなると、実際の損害額の回収には、長い時間、大きなコストがかかる可能性が高いといえます。

そのような場合、ご自分の自動車保険の内容を見直すことで、ご自分やご家族に「万が一」があった場合に備えることができるので、必ず人身傷害補償特約の内容を確認しておきましょう。

また、人身傷害補償特約の利用とあわせて、実際に相手方に請求していける場合もあります。「弁護士費用特約」をかけておくことで、弁護士報酬や実費などを保険会社に負担してもらうことができます。

この2点の特約には加入しておくことをお勧めします。

以上

 

 

お困りの際は、弁護士法人アステル法律事務所へご相談ください。→https://www.aster-kotsujiko.net/consultation/

 

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